モンスターペアレントはなぜ増える!?修羅場と化す日本の教育現場
日本の教育現場の過酷さは毎年テレビやネットニュースでも多く取り上げられている
為、ご存知の方が多いだろう。
しかし、「オンライン教育」や「9月入学案」、「教育費の無償化」など、これからの日本教育のあり方に関する議論が進む一方で、「教育現場の労働環境の改善」の問題は長年、隅に追いやられているように感じる。
その結果、教員の精神疾患による病気での離職率が増加するなど、教育現場は衰退一途を辿っているのだ。
さらに疲弊する先生たちに追い打ちかけているのが「モンスターペアレント」の存在である。
この近年増加しているモンスターペアレントが教員の離職率の増加に拍車をかけたと言ってもいいだろう。
なぜモンスターペアレントが急激に増えたのか、考察し簡単にまとめてみました。
モンスターペアレントがなぜふえたのか
モンスターペアレントが増えた要因は主に3つ挙げられます。
1つ目は、時代の流れと共に教育業界そのものが世間の声やイメージに敏感になり立場が弱くなったということです。
平成に入ってからネット社会が大きく普及した為、学校の評判や情報が素早く世間に出回るようになり、学校側もイメージを下げぬよう、保護者や生徒に対して対応が慎重になりました。
そのため、立場の弱くなった学校に対し、強気にでる親が増えたのです。
2つ目は、世帯や家庭環境の変化です。
共働きや母子家庭の世帯が増えたことで、家での子供とのコミュニケーションが少なくなったり、子供の勉強を見てあげる時間がない家庭が増えています。
そのため、勉強をすべて担任の先生に一任してしまい、成績や点数が悪いと「勉強の教え方が悪い!」と先生にダメ出しをしてしまうのです。
3つ目は、学校側が保護者達からの信用を失っていることです。
近年の教師間でのいじめや生徒への体罰、いじめの隠蔽など学校の不祥事に不信感を抱いている人も多い、自分の子どもが被害にあっているのではないかという不安から、学校側に強く当たってしまうのでしょう。
モンスターペアレントにならないためには
モンスターペアレントはお店のクレーマーと同じように、自分がモンスターペアレントという自覚がない方がほとんどでしょう。
自分の何気ない発言や意見が教師たちを精神的に追い込んでいる可能性も十分にありえます。
そうならない為にも、まずは先生たちの立場を十分に理解してあげることが大切です。たしかに子供の為、意見や提案をするのは悪いことではありません。
しかし、その理由をいいことに保護者という立場で自分の意見を一方的に押し通すことは自己中心的な考えです。
自分目線だけではなく、先生や周りの保護者から、自分の意見や要求がどう映って見えるのか、そういう多角的な視野を持たなければいけません。
労働環境改善に向けて
教育業界の労働環境の問題は決して他人事ではありません。
今のままの状態が続けば、さらに離職率は増加し、慢性的な教員不足に陥ります。
そうなれば、現役教員に掛かる負担はさらに大きくなり、子供たちへの教育に手が回らなくなる可能性もあります。
今一度先生たちの業務を精査し、先生たちが行わなくてもよい仕事を別の機関に任せるなど業務量を少しでも軽減すると取り組みが必要だと感じました。
学校側だけではなく、保護者や地域も先生たちが授業を行う上での悩みや不安の声に積極的に耳を傾け、解決に向けて一緒に考えてあげることが大切です。