コールセンター勤務の経験から私なりにクレーマーを分析してみた
サービス業を行う上で切っても切り離せない存在といえばお客様からの「クレーム」である。
特に接客技術に重点をおく、おもてなし大国の日本では世代間によって「お客様は神様という」認識が未だ根強い為、消費者側も供給する側に過度なサービスを求めてしまう傾向にある。
私もコールセンターで勤務していた頃はクレームの電話が鳴り響くことは日常茶飯事であり精神的に疲れて帰ることが多かった。
今回はそのコールセンターでの勤務経験から私なりにクレーマーを分析し記事にしてみました。
増加している新たなクレーマー
一概にクレームをつけること自体が全ては悪いことだとは思いません。
明らかにお店側に不備やミスがあればお客様もそれ注意する権利はあると思いますし、むしろお客様の意見や指摘というのは、お店側にとって競合他社に勝つための重要な材料であるともいえます。
問題なのは、従業員に対して理不尽且つ過剰な要求や指摘をするなどの行き過ぎた行為です。
特に近年はYouTubeやTwitterなどのSNSに隠し撮りしたクレームの動画を載せたり、動画撮影をしながら店員に「ネットで晒すぞ!」と脅す、悪質なクレーマーやカスタマーハラスメントなど横行し、企業やサービス業で働く従業員も頭を抱えています。
私の印象に残ったクレームエピソード
ご年配と思われる男性のお客様から「説明書を見ても、受け止った商品の組み立て方が分からない!早く使いたいので、急いで組み立てに来てくれ!」と不機嫌そうに電話が掛かってくる。
組み立てると言っても2、3個ケーブルを挿すだけの商品なので「お急ぎのようなら、お電話で組み立て方をご説明しましょうか?」と案内するも、「いや、たぶん分かんないし、面倒くさいよ!さっさと誰かよこしてくれ!暇じゃないんだよ」と返されたので、「かしこまりました、対応できるか至急確認いたしますので、少々お待ちください」と案内すると、「いや、今から15分後くらいには家を出るんだよ!確認なんかしてたら間に合わないだろが!」と電話口から怒号の声が飛ぶ。
どちらにせよ20分以内では絶対に対応できない事と、まずは対応可否を上司に確認したいことを説明するも、聞いてもらえず、その後2時間近くにわたる説教のような電話をされるハメに。
家を出るんじゃなかったのか...
クレーマーをタイプ別の分けてみる
●自己中心型
自分の思い通りのサービスを提供されないと気が済まず、ワガママ。
「こっちはお客様なんだから、これくらいするべき!」、「もっと融通を利かせろ!」など自身の主張が何より最優先なのが特徴。このタイプは基本的に相手の話に納得することありません、なぜなら自分の考えが世間の常識だと思い込んでいるからです。
また、相手の話を遮り自分の意見を一方的に主張する傾向にあるので、対応すると、かなりストレスの溜まるクレーマーと言えます。
●冷静論理的思考型
怒ったり、声を荒げたりするなどの感情的になることがなく、比較的冷静で淡々と話すのが特徴。
冷静であれば説得しやすいように思えるが私の個人的な意見からすると、この冷静論理的思考型が実は一番厄介なクレーマーだと思っている。感情よりも理屈で主張してくるタイプであり、相手の言葉尻を捕らえるのが上手く、自分の納得のいく説明をするまで相手を問い詰めるなど、常に会話の主導権を握りたがる傾向にある。
矛盾や揚げ足を取られることのないよう発言する必要がある為、話も長引きやすく対応の難しいクレーマーと言えます。
●罵倒脅迫型
大声で怒鳴りつけたり、「土下座しろ!」「料金を負担しろ!」などの脅迫、または脅迫に近い発言してくるのが特徴。
また「辞めてしまえ!」などクレームとは関係ない心無い暴言を浴びせてくることもあるので、このタイプのクレームを体験した方の中には、クレーマーに恐怖を感じトラウマになっている人も多いのではないでしょうか。
クレーム対応で心掛けてほしいこと
◆悪質なクレーマーは必ず上司が対応する
悪質クレーマーと判断できた場合は、相手から「上司を出せ!」と言われる前に上司に経緯や状況を伝え、対応してもらうようにしましょう。
相手側からしても上司と対応したほうが話しも早いですし、無理に自分一人で解決しようとし、あやふやのこと言ってしまえば、さらに相手をヒートアップさせることになり、説得が困難になります。
◆断る時は、はっきり「No!」と伝える
クレーマー相手に「基本的には...」「もしかしたら...」などのあいまいな表現を使ってはいけません。
特に冷静論理的思考型や罵倒脅迫型はこのようなあいまいな発言を拾って指摘してきます、判断が難しい場合は迷わず、上司や周りの従業員に確認し、できる、できないをハッキリと伝えましょう。
◆警察や法的手段などインパクトのあるワードを活用する。
相手がこちらの要求にどうしても応じない場合は警察や法的手段を活用することを視野に入れておかなければなりません。「警察を呼ぶのはさすがに...」と思うかもしれませんが、その抵抗こそがクレーマーの思う壺なってしまいます、
そもそもクレーマーというのはお店側が何もしてこないと分かっているから強気にでれ、いちゃもんをつけることができるのです。
相手のNGワードやアクションを見逃さず、「警察」や「法律」などのインパクトのあるワードを会話に用いて毅然とした態度でいることも状況によっては必要なことだと思います。
周りから見てイタいクレーマーにならない為には
クレーマーにならない為には相手の立場になって考えることが重要です。また意見する際も自分の発言や主張に正当性があり妥当な判断なのかしっかりと見極めることも大切です。
そして、感情にコントロールされて、衝動的に相手を傷つける発言や行動をしないよう常日頃から心に余裕をもって行動しましょう。
まとめ
よくメディアで「日本は過度なサービスをしすぎている」と海外の方から指摘されていますが、正にその通りだと思います。
金額に見合わない度を越したサービスが従業員に負担としてのしかかっているのが日本社会の現状といえるでしょう。
個人的にこのような、お客様第一主義の風習は早くなくなるべきだと思うのですが、「おもてなしが日本の文化」だとプラスに考えている方も多いので、中々難しい問題だと感じますね...