日本社会でブラック企業が淘汰されないのはなぜ!?
「ブラック企業」というワードは日本社会で生きる我々にとってはすっかり聞き慣れた
言葉になってしまった。「あそこの会社はブラックだ」、「前のバイト先がブラックだ
った」など、このような会話を誰しもプライベートでしたことがあるのではないでしょ
うか。そもそもブラック企業は10年以上前から重度の社会問題として取り上げられて
いた。しかしこれといった対応策が施行されぬまま年々、社会に広がり続け、今では日
本社会に完全に定着してしまったのだ。実際にブラック企業に就職してしまい、体調を
崩し、転職や辞職をした方のほうが今の時代多いのではないだろうか。我々が生きる日
本社会になぜここまでブラック企業が蔓延してしまったのか、考えていきたい。
◆ブラック企業の特徴は
一般的なブラック企業と呼ばれている基準としては、長時間労働、残業代の未払い、休
日出勤の強要、休憩を取らせないなどの体力的に追い込まれるケースやパワーハラスメ
ントや職場でのいじめ、劣悪な労働環境などの精神的に追い込まれるケースに複数また
は、いずれかに該当している企業のことだろう。最近では新入社員の放置や、入社した
あとの待遇と求人表に記載されていた内容が大幅に異なるというケースもブラック企業
と呼ばれる新たな要素として加わっている。
◆日本社会はブラック企業であっても退職しにくい
辞められない理由として、退職届を受理してもらえないなどのケースも挙げられるが、
問題は大きく2つある、1つは日本社会全体が退職に対してマイナスなイメージを持ち
すぎていることだろう。終身雇用制度の影響で一度勤めた会社は定年まで身を置くとい
う意識のある日本社会では退職に後ろめたさや引け目を感じてしまい、退職に踏み出し
づらいのだ。
2つ目は、日本社会特有の責任感の強さである、特に日本の社会は自分を犠牲にしてで
も、組織や共同体を存続させなくてはいけないという自己犠牲の意識が強いため、ブラ
ック企業と分かっていても、与えられた業務を全うしなければならないという意識に苛
まれてしまいやすいのです。
◆ブラック企業が増えた理由は
ブラックと呼ばれる企業が増えた大きな要因としては、日本経済の不況により、企業の
競争化が加速したことにあると思えます。バブル崩壊後、他社より高いクオリティで安
い製品を提供するため、人件費などのコストを削ると同時に労働者への負担も大きくな
った。またホワイトだった企業もブラック企業との価格競争に勝つため、ブラック企業
になるという負の連鎖が続いているのです。
◆ブラック企業を撲滅することは難しい
ブラック企業を日本社会からなくすことは非常に難しいと思います。
なぜなら、私たちは社会で働く労働者ですが、サービスを受ける消費者でもあるから
です。
消費者として安くて質の高い製品を買うとき、その会社がブラックかブラックじゃない
かと気にする人は少ないでしょう。このようにコストを抑えて安いもの提供できるブラ
ック企業は消費者からの需要が高くなってしまい利益がでやすいのです。
◆まとめ
現状、日本からブラック企業をなくすことは難しいですが、減らしていく努力を決して
怠ってはなりません。今までの日本社会の常識やシステムを再度見直し考え、再構築し
ていかなければなりません。自分や家族、友人をブラック企業の被害から守るためにも
社会全体が一丸となりこの問題に取り組まなければならないでしょう。